思考の補助線

徒然なるままに、思ったことを書き留めます。

"いい場所"よりも、"居場所"をつくる「まちの保育園」

毎週出会った「アイデアの種」トップ3を、
自分なりに深堀りして書き留めます。
 
さて、すっかり更新が遅れてしまいました。

先週の第1位は、

まちに住む人たちみんなで子どもを育てる

「まちの保育園」です。

 

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園内には子どもの遊び場だけでなく、

床屋もあればカフェもあります。

 

保育士やボランティアさんたちだけでなく、

まちに住む様々な人たちがやってきてお店の経営や催しを行いながら、

その傍らで常に子どもたちを見守り、育む。

 

現在「六本木」と「小竹向原」の二カ所にあるそうで、

取り組み自体は2011年頃から始まっているのですが、

 

僕は「まちの保育園」については全く知らず...。

つい先週、この取り組みを知って、本当に素晴らしいと思いました。

 

 

野暮かもしれませんが、その理由をざっくりと。

 

まず、何より素晴らしいのが、

「子ども」を媒介にして近隣住民の交流が生まれる、という点。

 

都市部に住めば住むほど、プライバシーが重視され、

隣の家との間は遮蔽性の高い分厚い壁で隔たれ、

孤立化がどんどん進んでいく。

 

「"いい場所"へのアクセスがいい」という以外に、

本当に住むメリットのない場所が増え続けています。

 

その生活は、本当に豊かなのか。

鬱、孤独、虚無感、そうしたものを助長していないか。

 

そんなことがずっと気になっていて。

 

だからこそ、「子どもを守り、育てる」という大義名分と、

純粋なまでの子どもの可愛らしさをきっかけにして

近隣住民たちが集まりたくなる仕組みを有するこの「まちの保育園」は、

 

ある意味で住民達の心のセーフティネット

"居場所"になりうるのではないでしょうか。

 

 

一方で、子どもたちにとっても、

女性保育士だけではない様々な大人と触れ合う自然なきっかけができます。

 

そこには多様な価値観の育みだけではなく、

子どもの間だけでは"居場所がない"子にも、別の居場所ができる。

いわゆる「いじめ」「孤立」に気がつける大人も、ぐっと増える。

子どもに必要なのは、何もオシャレで最先端な"いい場所"ではないと考えます。

 

 

これは僕個人の体験ですが、

中学時代には軽いいじめを受けてました。

また幼い頃に両親が離婚し、再婚はしたものの、ずっと喧嘩続きでした。

 

嫌がらせを受けるから学校には行きたくない。

かといって家にいれば親の八つ当たりを受けるので、

二階の自室にこもりながら、親が階段をあがってくる音にいつもびくびくしてました。

 

それでも今、こうして不自由なく暮らせているのは、

たまたま勉強もスポーツもそれなりにできたからだと思います。

(それにしか打ち込むものがなかった、というのもありますが。笑)

 

でも、勉強やスポーツが苦手な子もいる。

そういう子たちはきっと、どこかで脱落してしまう。

 

「いじめ」を受ける側、する側、傍観する側の"心"のせいにするのは簡単ですが、

よくよく考えてみれば「ドラえもん」にも「ハリーポッター」にも、

いじめのシーンは描かれています。

人間にとって、いじめを起こすことはある種、

普遍的なことで仕方のないことなのかもしれません。

 

だからこそ、「学校」「家庭」といった閉じられた世界を

壊し、ほどき、なだらかにして誘ってくれる、

別の世界とのつながりを意図的につくる必要性を感じます。

人間関係のこじれを"心"ではなく"暮らす環境"のせいにすることで、

暮らし方を再構築する考え方が、重要だと思っています。

 

そしてこのことは、子どもに対してだけでなく、

日々の窮屈な生活に窒息しそうになっている

専業主婦やサラリーマン、リタイア後のアクティブシニアにも

同じことが言えるのではないでしょうか。

 

 

そうした観点でも、この「まちの保育園」は、

大人にも子どもにも、それぞれ"いい場所"ではなく、"居場所"をつくる。

とにかく素晴らしいと思いました。

 

生涯をかけて取り組みたい、と僕が描いていたものに、

実はかなり近いんです。今まで知らなくて悔しい。

どうやってか、ボランティアスタッフになれないだろうか...

なれるのかな...笑

 

 

なお、話は若干逸れますが、

「赤ちゃん先生」という取り組みも、本当に素晴らしいですよね。

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http://mamahata.net/

 

赤ちゃんを「いのちの尊さを最も知る先生」と位置づけ、

母親を先生をサポートする教師として、

小中学生をはじめとした子どもたちに赤ちゃんに触れてもらい、

いのちの素晴らしさを実感してもらおうという取り組みです。

 

赤ちゃんを抱っこしたり、あやしたりした子どもたちは、

いのちの脆さ、儚さ、それでも生きる強さに感動し、

"いじめ"などという発想に及びにくくなるかもしれません。

 

この取り組みを知ったとき、はじめて

"人の心を、もっとやさしく"できるかもしれない、と思いました。

 

 

「まちの保育園」や「赤ちゃん先生」といった取り組みを通じて、

ひとの心も、暮らす環境も、もっともっと素晴らしいものになっていくのでは、

とあらためて思わされたのでした。